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眠れないパターン4つ
「眠れない」ということにもいくつかの種類があります。若年者では「入眠困難」と「日中の眠気」、高齢者では「中途覚醒」と「早期覚醒」が多いと言われています。
読んで字のごとくということもありますが、それぞれのパターンを説明します。
若い人で多い
- 「入眠障害(睡眠開始の障害)」とは、 就床後寝入るまでの時間が長くなり、寝つきが悪くなる状態です。一般的には、30分~1時間以上時間がかかる場合を言うようです。
- 「中途覚醒 (睡眠維持の障害))とは、一度眠った後に、次の日起きるまでの間に何度も目が覚める状態を言います。トイレで目がさめるなどもこのパターンに含まれます。
- 「早朝覚醒」とは、老人で目覚めが早いと言われるもので、本人が望む時間よりも早くに目が覚めて眠れない状態のことを言います。目安としては、いつも起きる2時間以上前に目が覚めることをいうようです。
- 「熟眠障害」とは、よく眠れないという訴えの時にあるような睡眠時間は十分でも、ぐっすり眠れた、もしくは深く眠れたという感じが得られない状態を言います。
なぜ、眠れないことが問題なのか?
眠れないことが患者さんを苦しめるのは、眠れないことそのものもありますが、日中に感じる様々な不快感が問題になります。例えば、眠れていないことで、集中力が低下し、言われたことを覚えていられなかったり、勉強や就職活動の効率が低下したり、ケアレスミを起こしたりすることがあります。特に、集中力の低下は、交通事故などにつながることもあるので注意が必要です。
寝不足が続くと、極度の緊張状態になることもあり、頭痛や体の不調(倦怠感)に悩まされることもあります。
これらの問題が寝ることにあると思い当たると、寝ることに対する不安や過度の心配・囚われにつながります。
1ヶ月以上不眠が続くと慢性化し、その後も長く不眠に悩まされることが多いようです。時には、3年から20年近く不眠が続いたり、治りにくかったりもします。また、一旦、薬をやめられたとしても何かのきっかけで不眠になってしまうこともあります。長期的な視点で不眠治療は考えないといけません。
睡眠の治療には、薬物療法の他にも、生活や睡眠に対する考え方の改善などもありますので、治療にあたっては医師や看護師、薬剤師さんとよくよく相談することが必要であることは言うまでもありません。
睡眠薬の副作用にはどのようなものがあるか?
薬は、いい面ばかりが取り上げられがちですが、効果とともに副作用を考える必要があります。特に、高齢者になってくると体の機能が落ちてくるので、薬の作用が強く出ることもあります。
睡眠剤の場合は、例えば長い時間薬が効いていてにも関わらず、寝るのが遅くなった場合に、翌日まで薬の効果が残っていることがあります。朝フラフラしたり、頭の働きが鈍く感じることでいつもと違うと思うかもしれません。これを「持ち越し効果」と言います。
このように効果が残っている状態だと転倒などの危険性が高まります。
その他、ある作用の薬が見つかると多くはその効果を高めたり、副作用を軽減する目的で次々に似たような薬が開発されていきます。そのため、同じような系統の薬でも副作用は異なりますが、睡眠薬の副作用を一覧にしてみました。睡眠剤の場合は、例えば長い時間薬が効いていてにも関わらず、寝るのが遅くなった場合に、翌日まで薬の効果が残っていることがあります。朝フラフラしたり、頭の働きが鈍く感じることでいつもと違うと思うかもしれません。これを「持ち越し効果」と言います。
このように効果が残っている状態だと転倒などの危険性が高まります。
個々の睡眠薬により注意すべき副作用は異なりますが、全体像として把握するにはいいと思います。
「悪性症候群」と「意識変容」、「譫妄(せんもう)」について触れたいと思います。
睡眠薬の副作用としては、脳に作用する薬なので、意識変容や譫妄(せんもう)が起こることがあります。覚醒系の意識の低下と辺縁系の過剰興奮を伴うもので、意識がもうろうとする混濁(こんだく)状態に加えて、幻覚や錯覚、思考の混乱がみられることがあります。特に認知症と似たような症状に見えることもあるので、専門の方に相談してもいいと思います。
「悪性症候群」とは、 他の原因がなく、37.5°C以上の高熱が出る、汗をかく、ぼや っとする、手足が震える、身体のこわばり、話しづらい、よだれが出る、飲み込みにくい、脈が速くなる、呼吸数が 増える、血圧が上昇することなどが起こることを言います。ただ、頻度的には、0.07-2.2%と言われています。また、副作用としては、睡眠薬を飲みはじめて1週間で6-7割で起こっているようです。
※副作用に関しては、必ず起こるものでもなく、必要に応じて薬は処方されているものなので、何か変だと思った場合は、医師、薬剤師、看護師に相談するようにしてください。
睡眠薬にはどのようなものがあるのか?
睡眠薬には、効いている時間や薬の効き方などにより幾つかのタイプがあります。不眠の4つのタイプ(入眠困難、日中の眠気、中途覚醒、早期覚醒)に応じて、作用時間の長さを調節することが多いようです。作用時間には、「超短時間作用型」、「短時間作用型」、「中時間作用型」、「長時間作用型」があります。
よく「睡眠導入剤」と「睡眠薬」の違いが聞かれますが、これらに違いはありません。特に「睡眠導入剤」は作用時間の短いものを指すために便宜上名付けられたのが一般化したようです。
作用時間の他にも、不安感に対する効果のあるものや、どのような診断に使用するものなのかと言う適応、肝臓などの持病などに対して薬が使い分けが考えられます。
例えば、エチゾラム(デパス)という薬では、睡眠障害の他に「不安・緊張・抑うつおよび筋緊張」の適応もあります。睡眠剤としては、寝る前に飲みますが、食後に薬を飲むのはこのような場合です。
半減期により作用時間を分類
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