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2022/05/05

新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)2022年5月5日



photo by NIAID

2022年5月5日の情報に基づき記事を作成しています。
内容については精査しておりますが、最新の情報をご確認上ご判断ください。


 新型コロナワクチンに対して、出所の確かでない情報やデマが溢れると、情報が埋もれると思い暫く投稿を控えていました。この間に政権も変わり菅さんから岸田さんに総理大臣も代わりました。総裁選の手前で実行再生産率が下がっていたけれど、実感としてはまだ山を超えていない感じがしたのを覚えています。下記にリンクに新型コロナワクチン1日100万回の設定理由(50:16〜)を述べられています。問題の整理、課題の設定、そして、実行力が物凄くあったことが分かりました。



    【ノーカット】菅首相が記者会見 緊急事態、全面解除へ(2021/09/28 にライブ配信50:16〜)


菅元首相に関しては、不妊治療の取組についても、このコロナ禍で達成しています。病いだけでなく、生に関しても本来見ていくべきことなのだと思います。



現状、オミクロンも含めて、新型コロナ対策は行政の資料も充実しています。 ただ、連休などに喉が痛くて発熱外来に罹ろうとしてもなかなか受診させてもらいないようです。かかりつけのあり方が問題になりそうです。このコロナを契機として、医療のあり方も変わっていくのかもしれません。



新型コロナの行き先はまだまだ予断を許しませんが、感染しやすくなっている代わりに、致死率が低くなっていることなどウイルスそのものの性質が変わってきているようにも思えます。参考までにインフルエンザワクチンではWHOの推奨や感染研で株を予想して流行する前に接種するようなスケジュールになっています。


資料の3枚目を御覧ください。上に基本的な流れということで、ワクチンの製造までや販売開始までの大まかな流れを記載しております。まず、WHOで推奨株が決まります。吹き出しにありますが、今年は2月26日にその結果が公表されております。その右側は、メーカーのほうでそれぞれの株の増殖性などを検討いただいて、製造効率を含めて感染研で、どの株を推奨されるかを御検討いただいています。さらにその右は、今日の会議ですけれども、インフル株の小委員会で製造株を検討いただくということで、決まりましたらメーカーに製造いただいて、秋から販売が始まるというような流れです。


インフルエンザは9月~4月のシーズンで流行を見ていくような感じですが、季節性という訳でもなさそうですし、新型コロナの場合はどの期間で変異を見ていくのでしょうか。

ただ、今は治療薬も出てきているようなので、戦略が多少変わってくるのかもしれません。



新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)が引き起こす社会的な問題があるように思います。 大きく分けて、イノベーションを起こす仕組みと社会経済を発展させる仕組みを考えないといけません。2つはねじれの位置にあり、交わることはないです。イノベーションはいつか機会があれば、別に書きますが、イノベーションは犠牲の上に成り立つもので、社会経済の発展は全体の利益の底上げだからです。社会経済の発展には、雇用増大の出発点に何を置くのかが重要になります。道路の補修でも、防潮堤の建設でもいいのですが、一般的には公共事業への投資が手取り早いと言われています。ただ、日本の技術は優れていて、東日本大震災の時でも、主要な道路は数日で復旧している実績があります。それを技術を持たない人たちが参加できるようにするのは、何らかの工夫がいるように思います。トリクルダウンという言葉には何か意図的なものを感じます。前提となる中抜きをさせない工夫が今後必要になるのではないでしょうか。中抜きさせないためには、事業をコントロールする人が事業について相応の理解をして、自分で汗をかく必要があるので、難しいのかもしれません。公共事業に限らず、持ち回り人事などは不可能だと思います。(例えば、高度な銀行業に関しても分からない人が間に入ると容易に嘘や誤魔化しが入ります。)


(関連情報)
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2021/02/16

最近の話題(医療ドラマ、イトラコナゾール、GoToトラベルなど)

 


最近、気になっていることを雑記的に書いていきます。取り止めがなくなってしまいました。


なな色健康家族(主演/森七菜さん)


インスタグラムが前触れもなくアカウントごと削除された森七菜さん。どこかで最近の姿がないかと思っていたら、ありました。日本医師会が制作したミニドラマ「なな色健康家族」で、森七菜さんが主演しています。テーマは、医療関係らしく、「かかりつけ医」「がん検診」「風しんの抗体検査・予防接種」「准看護師」となっていました。

最初に音楽番組で出たのを見た時には、何が魅力か分からなかったし、ヒロインの妹役も吉岡里帆さんのように丸メガネで二番煎じ的な印象を受けていました。でも、「この恋あたためますか」あたりでしょうか。いつの間にか気にるようになっていました。


森七菜さんプロフィール
2001年8月31日生まれ大分県出身。2016年に大分県でスカウトされる。2019年7月に公開された映画『天気の子』のヒロイン 天野陽菜役に抜擢。



睡眠誘導剤の混入したイトラコナゾール


コロナのためか、全然話題になりませんが、水虫の飲み薬に眠たくなる薬が間違って入っていました。水虫の薬を作るときに間違い、流通に乗ってしまったとのことです。実際、患者さんの手元まで届き、薬を飲んで運転して事故になった方もいます。


薬が生産から販売までの垂直分業ではなく、水平分業になっていることが問題ではないかと思っています。(水平分業は専門性が高まると生じますが、結局会社間のやりとりになった時にブラックボックス化するのが本質的な問題と考えています。)今や製薬企業にブランドだけが残り、生産などを外注していることが多くあります。販売会社が異なっても実は同じ製品を作っていたと言うようなことも出てきます。


製薬企業で管理していると思っていても、このような事態が起こります。手順が正しく踏まれていたのか、どこで間違いをチェックできなかったのか、スルーしたのは何故なのか、いろいろ考えさせられます。


こう言う話題が出ると、薬が偽物であったときの怖さが分かります。


少し別の話になりますが、今回のように別の物が入っていたら。例えば、えらく勧められて、効くと思っていた薬が効かない物だったら。薬をどこでも売れるようにしたいとか、過度に利便性を追求すると、いろいろな物が見えなくなります。今回の場合は、正規品の中身がすり替わっていると言うもっと恐ろしい状況です。見た目だけでは粒々で分からないとはずです。 


(2021年4月25日追記)
ヒューマンエラーと言われたら、現場の人がかわいそうになります。「再発防止策ではなく、製薬企業として新たに生まれ変わること」ともありました。


小林化工株式会社「調査委員会による調査報告について」

そういえば、日医工はどうなったのでしょう…。



Go To トラベルとCOVID-19


(若干、と言うか、ほとんどポエムです。診断のための検査ではなく、防疫のための検査をGoToトラベルに適応するとどうなるかシミュレーションしてみました。)


移動する人がほぼほぼ間違いなく陰性であることを確認でき、かつ、旅行中の接触者が誰か把握できるような仕組みを持てれば、安心してGoToトラベルを再開させることができます。


防疫的な検査体制は、余裕がない時には優先順位が求められます。重症化リスクを避ける意味では、病院・介護施設の職員・患者・利用者などが優先される方がいいでしょう。防疫的検査体制が逼迫している場合は、空港>病院・介護>GoToの順になるのが自然で、GoToを再開する時期は、医療機関の逼迫はいつ収まるのか、医療機関・介護などの施設での防疫体制はいつ整うのか、いつGoToトラベルに体制を回せるのかを順に追っていくと大体予想できます。


国内旅行であったとしても、普通の人が、海外へ旅行に行く時に求められる基準からGoToトラベルの支援をすることを想定してみます。感染の広がりを抑えるには、律令国時代の関所ではないですが、文化圏の近い地域でブロックに分けて、小さい地域から徐々に往来を試みるようにすれば、感染が広く飛び火することもないでしょう。万が一、うまく行かない場合も検証ができます。


GoToトラベルに行く直前や例えば1週間に1度定期的に検査を受けていることなどGoToトラベルの適応を認める条件をきちんと決める必要があります。ただ、陰性の証明として、PCRを使用したとしても、GoToトラベルとして補助金を国が出すのであれば、機器や検査手技によってバラツキがないようにする必要があります。防疫を本格的に行おうとすると、どこまでの検査機器、検査会社の補助を認めるかなど、科学と為政のぶつかる可能性があります。


検査証明や行動履歴をどのように管理するかと言う問題もありますが、コールセンターや支店を持っている旅行会社が積極的に関わってもらうようにしたいです。(割引)チケットを販売しているのであれば、GoToトラベルに限らず、移動に伴う社会的な責任があるように思います。コロナも長期化しているので、保健所などのノウハウも蓄積されているのではないでしょうか。コールセンター業務は、応対マニュアルがあるはずなので、行動履歴など保健所で行っているような項目を追記すれば簡易なデータベースはできるように思います。発券のための業務管理系のシステムがあれば、大規模にシステム改修をしなくても、備考欄とか文字列を入力できるスペースが通常はあるように思います。保健所が確認したい時に、旅行に関してはすぐに追跡できるようにしたらいいと思います。


もう少し医療の逼迫や重症者の問題が落ち着いたら、GoToトラベルへの風当たりの強さと言うか不安の原因を一つ一つ摘み取っていく必要があると思います。飲食での休業要請のように感染者数を減らす効果は左程ないかもしれませんが、GoToトラベルを行うのであれば安全は担保したいところです。


GoToイートは正直よく分かりません。現状はポイント付与の方法を事業者に聞いて、外食させようとしているように見えます。20時以降の飲食を停止している現状と矛盾する施策にも見えます。感染防止はともかくとして、防疫にどうしたらつなげられるのか、そのような視点がないように思います。


(このような文章がそもそも需要あるのか疑問ですが、医療機関、介護施設などについても書きたいと思っています。)

2020/12/06

新型コロナウイルスのワクチンについて考える



photo by NIAID

2020年12月6日の情報に基づき記事を作成しています。
内容については精査しておりますが、最新の情報をご確認上ご判断ください。



ワクチンの意義とは


ワクチンには2つの意義があります。1つ目の意義はワクチンを受けた人がその感染症から身を守ること(感染予防・発症予防・重症化予防)が出来ることです。一般に、ワクチンで予防できる病気をVPD(Vaccine Preventable Diseases)と言います。もう1つの意義は、社会全体から感染症を排除を目指すということです。前者を個人的防御、後者を社会的防衛と言います。


日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」



安全性について(副作用?副反応?)


メディアに登場する(自称)ワクチンの専門家を見分けるリトマス紙が1つあります。ワクチンの安全性を「副作用」というのか、正しく「副反応」というのかです。


「副作用」と「副反応」は混同して使うには、物事の議論を変な方向に誘導する危険があります。医薬品における副作用とは、イメージの通り薬の効果以外に(発熱とか)有害な出来事がその医薬品に起因して起こることを言います。医薬品は治療に用いるものなので、病気の人が使います。 その一方、ワクチンでは接種された人に感染を防ぐ仕組みを作り(免疫を誘導して)目標とする病気(VPD)に罹らないようにします。「副反応」とは、ワクチンによる効果以外の反応のことを言います。ここで重要なのは、ワクチンは感染していない人(いわゆる健康な人)に打つということです。


健康な人に病気を防ぐためにあえてリスクを取る、これがワクチンです。ワクチンで副作用と言う言葉を使う場合、個人的防御として考えているように思いますが、社会的防御を考えたときにはこの意味が180度異なります。


これを理由もなくわざと混同させるのは罪作りのような気がしますが、意識せずに使っているのであればそれ以上に問題があると思います。


ただ、下記の厚生労働省も行政の方も「ワクチンの接種は、感染症を予防する効果が期待される一方で、副作用による健康被害を、極めてまれだが、完全に回避することは難しいというリスクもある。」とか「開発中のワクチンの副反応(副作用) 」と「副作用」となっているので、一般国民に理解しやすくするためなのか、どうなのか一度聞いてみたいところではあります。会議資料は全て副反応になっているので、理解のためなのでしょう。



さておき、感情をなるべく抑えて、理性だけで考えてみます。ワクチンによる副反応が不可避だとしても、「ワクチン接種による死亡・重篤な副反応」数が「感染症による死亡・重度の後遺症」数を下回るのであれば、積極的にワクチンを打つことがいいことが分かります。重症者が減れば高度な医療を必要とする数も減りますし、医療資源に関わる部分でもプラスに働くと思われます。


  • ワクチン接種による死亡・重篤な副反応 < 感染症による死亡・重度の後遺症


一方で、自分や子供たちがワクチンを接種すると考えると、途端にこの不等式が成り立たなくなります。これまで日本でもワクチンの副反応は裁判にまでなっています。

社会全体のバランスを考えた時、社会的防衛を達成するために、関係者や行政側が心血を注いできた歴史とも言えます。極めてデリケートな問題だと思います。


新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴って、これまで想定しなかったような事態になっています。「ワクチンの有効性と安全性のバランスを考えて…」というバランスの支点が少し動いてきたようにも見えます。


上記の不等式は単純化しましたが、実際には安全性のベースラインはどこにあるのか。有害事象と副反応の切り分けなど考慮しないといけない点は多々あります。




ワクチンの専門家はどこにいるのか


ワクチンは小児科領域でワクチンが扱われることが多いです。子育ての経験がある方は思い当たることがあるはずですが、生後直後から高校生くらいまで予防接種のスケジュールが詰まっています。日本小児科学会では予防接種のスケジュールなどが公表されています。



情報提供を行う医療広告と患者を目の前にする臨床は違うと思いますが、私は、感染対策や治療と予防接種は別分野だと感じています。医療広告でも、キャリアの中で様々な分野に関わることはあると思いますが、抗生物質や抗ウイルス薬を担当していることを理由にワクチンを担当することになることはあまりないように思います。ワクチンが病気になってからではなく病気になる前に対処することを目的としているからです。そのため要求されるスキルが異なります。



まとめとして


現在、話題に上がっている開発中のワクチンは実績のあるというか伝統的なワクチンの開発方法ではなく、核酸やウイルスベクター等の極めて新規性の高い技術が使われています。ほぼほぼ実用化し得るバイオテックが出揃っている状況だと思います。リコンビナントくらいまでは理解できるのですが、遺伝子導入的なものもワクチンと言っていいのか、正直、新規開発されているワクチンのメカニズムまで追いついていません。少し調べたらまた書くかもしれません。

(散々新聞やらニュースで取り上げられていますが、ワクチンのメカニズムは要は医薬品で言うところのプロドラッグのようなもののようです。2021.2.7)



反応事例について(2021.2.7追記)


ファイザーのワクチンで英国の2例と米国の1例のアレルギーを調べてみました。今回のアレルギーは添加剤(ポリエチレングリコール誘導体)が原因のようです。添加物(及び交差反応)のアレルギーに注意となります。エピペンなどの対応方法も十分検討されているようなので、不要な情報かも知れませんが調べたので載せておきます。


コロナのワクチン副反応に関する総説とCDCのサイトになります。


2021年3月1日に日本アレルギー学会からもアナフィラキシーについての見解が出ていました。(3月6日追記)


(関連情報)
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2020/08/10

新型コロナウイルスの新規感染者数増加について(2020年8月10日)

photo by NIAID

2020年8月10日の情報に基づき記事を作成しています。
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東京都を中⼼として再び新規感染者数が増加


4月15日以降新型コロナウイルスの感染は一旦収束傾向を見せて、緊急事態宣言の解除及び段階的に様々な活動を再開してきました。しかし、6月から7月にかけて東京都を中心に再び新規感染者数が増加し、単純な検査陽性者数では緊急事態宣言下における時期を上回る報告が認められています。

厚生労働省の8月10日時点の陽性者数のグラフを見ても、数字が増えています。


陽性者数の最初の山が4月10日(708名)にあるので、グラフの山を平行移動させると下図のように大体、7月16日頃に重なります。正確には数学的な近似が必要かも知れませんが、陽性者数の増加具合を見ると、急激な上昇や緩やかになるというよりも綺麗に繋いだようなグラフになっています。移動した2月15日あたりが緊急事態宣言解除の時点になっています。

単純に陽性者数だけで感染状況を測れないという主張もあるようで、再度緊急事態宣言にならないそうです。

(厚生労働省HP:新型コロナウイルス感染症について概況陽性者数8月10日閲覧改変)



SARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査


全ての自治体ではないようですが、国立感染症研究所では新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム配列を確定し、感染クラスターに特有な遺伝子情報そしてクラスター間の共通性を解析しています。まとめの一部を抜粋します。欧州系統のコロナウイルスが自粛にも関わらず、軽症もしくは無症状の人でウイルスが残り、その後の感染の拡大を引き起こした可能性があるということです。

  • 欧州系統(3⽉中旬)から さらに 6 塩基変異を有しており、1ヶ⽉間で2塩基変異する変異速度を適⽤すれば、ちょうど3ヶ⽉間の期間差となり時系列として符合する。
    SARS-CoV-2 の変異速度は現在のところ 24.1 塩基変異/ゲノム/年(つまり、1年間で 24.1 箇所の変異が⾒込まれる)と推定)とされています。
  • この3ヶ⽉間で明確なつなぎ役となる患者やクラスターはいまだ発⾒されておらず、空⽩リンクになっている。この⻑期間、特定の患者として顕在化せず保健所が探知しづらい対象(軽症者もしくは無症状陽性者)が感染リンクを静かにつないでいた可能性が残る。
  • 6⽉下旬から、充分な感染症対策を前提に部分的な経済再開が始まったが、収束に⾄らなかった感染者群を起点にクラスターが発⽣し、地⽅出張等が⼀つの要因になって東京⼀極では収まらず全国拡散へ発展してしまった可能性が推察された。

(出典: 新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査2 (2020/7/16現在))


新型コロナウイルスは、症状のない個人によっても感染する能力を持っていることが知られています。ウイルスの脱落は、症状が始まる少なくとも24〜48時間前に起こり得、症状発症時にピークを迎えると考えれられています。初期曝露から症状発現までの期間現在の推定値は、中央値が5日ぐらいというデータもあります。ここから感染リンクを静かにつないでいた可能性を考慮するということで、ざっくり計算すると、5日〜7日で一人に感染させるとして、3ヶ月で12人〜18人程度無症状で広がったということになります。(実際には1人が複数に感染させることもあるはずです。) 

夜の街関連に行き着くまでに、例えば、陽性になった方(1)がいて、その大学での友達(2)、友達の友人(3)、友人の両親(4)、両親の職場(5)、職場の出入りの人(6)、出入りの職場の人(7)。これくらいでも、7ステップです。最初に陽性になった人は出入りの職場の人とほぼほぼ面識ないように思います。



医療マーケティングから考える新型コロナウイルス下の経済


社会学者のエヴェリット・ロジャースが普及曲線として、イノベーターやマジョリティの概念を数学的に表しました。この概念を使うとコロナ禍はどのように表されるのでしょうか。まず、人や店によって、感染症の対応がまちまちだという印象です。また、どんなに注意しても、自粛中、動く人は動くし、もう大丈夫だと言っても動かない人は動かないということがあります。三密を回避したから、行動を8割自粛したからというより、動きにくい人まで感染に対して注意を払ったことも一因のように思います。パチンコ店の自粛が象徴的でした。末尾に参考を記載しました。


もう一つ、「経済の問題=コロナ禍以前に戻すこと」と考えると、チグハグなことになると思います。無症状や発病前の人がいるので、経済対策の目的を「感染拡大により失われた観光客の流れを地域に取り戻し、観光地全体の消費を促すこと」とすると、この流れの中に、感染した人が紛れ込む状況が考えられます。新しい経済を作らないといけない状況なのに、旧態依然としたものをサポートしているように思えます。
スポーツやイベントがなくなると、テレビもコンテンツがなくなるということも今回よく分かりました。


経済と医療が対立するものではありません。経済の問題をコロナ禍でも貨幣・情報が流通することとして、全体を組み直した方がいいように思います。


【参考】wiki普及学より加筆・改変(非常事態宣言解除後のウイルス感染の状況に当てはめてみる)

  • イノベーター(2.5%): 新しいアイデアや技術を最初に採用するグループ。リスクを取り、年齢が若く、他のイノベーターとも交流する。リスク許容度が高い。→ いわゆる夜の街
  • アーリーアドプター(13.5%): 採用時期が2番手のグループ。オピニオンリーダーとも言われ、他のカテゴリと比較すると周囲に対する影響度が最も高い。年齢は比較的若い。経済的に豊かで、教育水準は高く、社交性も高い。イノベーターよりも取捨選択を賢明に行い、オピニオンリーダーとしての地位を維持する。→夜の街に通う人の友達・職場仲間
  • アーリーマジョリティ(34%): このカテゴリの人は一定の時間が経ってからアイデアの採用を行う。アーリーアダプターとの接点も平均的に持つ。→アーリーアダプターの職場の家族・学校
  • レイトマジョリティ(34%): このカテゴリにいる人は、平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。イノベーションが半ば普及していても懐疑的に見ている。→濃厚接触者の接触者、履歴不明のクラスター
  • ラガード(16%): 最も後期の採用者。他のカテゴリと比較すると社会的な影響力は極めて低い。変化を嫌い、高齢で、身内や友人とのみ交流する傾向にある。→何がなんでも気をつけている人


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医療統計から考えるアビガンのマーケティング戦略(新型コロナウイルス)(2020/6/6)
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臨床論文に出てくる試験デザインの分類と種類

2020/06/06

医療統計から考えるアビガンのマーケティング戦略(新型コロナウイルス)(2020/6/6)

2020年6月6日の情報に基づき記事を作成しています。
内容については、最新の情報をご確認上ご判断ください。

photo by NIAID

新型コロナウイルスに対する医薬品の適応拡大


アビガンの臨床試験について、医療統計と医療マーケティングの立場から考察してみたいと思います。今、新型コロナウイルスに対する医薬品として注目されているものは、適応拡大であり、既存治療の中で使われてきたものです。適応拡大とは、他の疾患での治療に使われていた薬を別の疾患に使うことをいいます。

5月7日にレムでシビルが特例承認されるまで、新型コロナウイルスに有効な薬がない状態でした。 ベクルリー(レムデシビル:Remdesivir)はエボラウイルス感染症に対する治療薬として開発された薬剤です。アビガン(ファビピラビル:favilavir)も抗インフルエンザ薬として開発された薬剤です。

未知の副作用が起こる可能性は否定できません。ただし、適応拡大の利点は、ある程度、安全性が似たものになることです。例えば、全く警戒していないところで催奇形性が起こるのではなく、アビガンでは既に催奇形性が知られていることがあります。 (例えば、オブジーボなどの抗癌剤でも、悪性黒色腫から始まり現在9種類のガンに使用されています。腫瘍という共通の土台の上で、経験値が活かせる可能性があります。)

新型コロナウイルスの重症度と治療の選択肢


新型コロナウイルスの治療では、呼吸器を主たる目安として重症度が分類されています。厳密ではないかもしれませんが、ウイルスの増殖による臓器への負担が体調を悪化させる軽症から中等症とサイトカインストームにより免疫が暴走による重症に分けられます。

軽症から中等症の治療を考えるときに、新型コロナウイルスの増殖抑制があります。 レムデシビルもアビガンも体内でRNAの元となる物質(リボ核酸)に似たものとなります。新型コロナウイルスはRNAウイルスでウイルスが増えるためには、RNAをコピーする過程が必要になります。このコピーの際に、これらの物質が材料(リボ核酸)として誤って取り込まれ、新型コロナウイルスのRNAが伸びるのをストップさせます。その結果、増殖を抑止します。これが、レムデシビルとアビガンの作用の仕方です。


武漢ウイルス研究所が新型コロナウイルスに対する培養細胞(Vero E6:アフリカミドリザル腎由来)の実験で効果を検討しています。


違いはベクルリー(レムデシビル)は注射薬ですが、アビガン(ファビピラビル)は飲み薬(経口)です。ベクルリー(レムデシビル)は中等症から重症患者を対象としています。おそらくこの投与経路の違いがレムデシビルとアビガンの開発戦略の違いを生み出しているのだと思います。

アビガンの検証的な臨床試験


原則として、医薬品の有効性は、臨床試験により、統計的な有意差が検証されることが必要です。観察研究は、薬の真の効きや安全性を担保すると言うよりも、医薬品に対する新たな知見を付与することが、その第一義的役割です。観察研究における症例の集積により、医薬品の効果の検証ができるものではありません。

アビガンに関しては、様々な臨床試験が動いています。今回着目するのは、試験実施者が富士フイルム富山化学株式会社の「非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象としたファビピラビルの有効性及び安全性の検討−アダプティブ、単盲検、ランダム化、多施設共同比較試験-(非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象としたファビピラビルの臨床第3相試験)」です。 医薬品としての担保と言う意味では、「ファビピラビルの臨床第3相試験」が適切だと思います。


アビガンの臨床第3相試験の対象者は非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者


試験概要を見ると対象者は非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者です。 医療マーケティングの視点からこのデザインを眺めると、ファーストライン(第一選択薬)を狙う戦略に見えます。治療を大きく軽症、中等症、重症に分けるのであれば、治療初期に使われる方が、患者数(パイ)が大きくなります。

新型コロナウイルスの話ではないですが、例えば、抗癌剤での薬剤選択を見てみます。抗癌剤では、作用の仕組みが同じような薬剤が複数選択できるような状況では、どの薬を使うか、どの順番に使うかが問題になります。最初に使われる薬の方が当然ながら患者数(パイ)が大きく、製薬企業も第一選択薬として使われることを望みます。ただ、医薬品の開発の観点から見ると、既存治療のあるものは、医薬品の誕生とともに第一選択薬になることはあまりありません。最初は少数例でそして徐々に臨床試験や使用実績を積み重ねて、選択の順位(ライン)を上げていく、薬を育てていくことが行われます。
まずは治療薬として採用され、他の可能性のある薬が出てきたときには、併用を順次試していく。レムデシビルでは、この戦略に沿っているように思います。

話は戻って、もし、今後アビガンが承認されることがあれば、治療ではレムデシビルより前に使われることになります。しかも軽症例で使われることになります。既存の治療がないので、第一選択薬を狙うと言うのは、戦略としてあり得るのかもしれません。ここから後は経済とか国家間の取引の話になるのかも知れません。ただ、飲み薬(経口)というのもあるのかもしれませんが、負うべきリスクも大きくなるように思います。

予定試験期間が3月31日~6月30日までなので、解析も合わせて、その後どのような結果になるのか興味のあるところです。今一度、有事だからエビデンスが不十分でも良いとなれば、ウイルスと闘う医療従事者の武器が何なのか分からなくなってしまいます。理論的に治療ができる、きちんとしたエビデンスが欲しいというのが率直な感想になります。また試験の途中はバイアスがかからないように、慎重に見守っていく必要があると思います。

その他、新型コロナウイルスの治療薬として候補に挙がっている医薬品は下記のものがあります。


2020/05/30

新型コロナウイルスの第2波(第3波)について思うこと(2020/5/30)


photo by NIAID


2020年5月30日の情報に基づき記事を作成しています。
内容については、最新の情報をご確認上ご判断ください。

これまでの新型コロナウイルスの対策について思うこと


本稿では、新型コロナウイルスの第二波、第三波の定義が曖昧で今後混乱しそうなので考察します。
2020年5月30日現在、非常事態宣言が解除されています。自粛と3蜜(密閉・密集・密接)の回避で下記のように感染者数は減りました。

Coronavirus Disease (COVID-19) Japan Tracker
(2020/5/30)

ウイルスそのものが感染しやすいのか、飛沫に含まれるウイルス数が少なくても感染するのか、無症状下での感染することが感染力を強く見せているのかなど、感染力が何に起因しているのか、理由がはっきりしなかったのですが、実際感染者が減っているので、対策は有効だったと思います。

新型コロナウイルスの治療について思うこと


2020年5月30日時点で公式に認められた治療薬としては、レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液)しかありません。(薬物治療に関しては別途投稿する予定です。)しかし、医療機関で症例報告として挙げられているものもかなりの数がありますので、下記をご参照ください。


標準的な治療体系、ワクチンによる予防などには至っていないことが課題として感じています。日本(世界でも)の治療の現状は、例えるなら、ブレーキの効きの緩い車を運転しているようだとも言えます。治療体系が確立していれば、車を止めることができますが、今は(いろいろな)ブレーキ(になりそうなもの、効くものもあるかもしれません)を踏みつつも、自然に車が止まるのを待っているような状況だと言えます。

確かに、自粛により発症者数としてカウントされる人数が減りました。しかし、重症化せずに感染を広げていくタイプの感染が、密かに進行している可能性があります。発症した感染患者を早期に見つけ、隔離・治療できれば、感染症の広がりを抑えることが出来ます。おそらくこれが現状の戦略なのだと思います。突発的にいくつかのいわゆるクラスターが発生と押さえ込みを「再燃・寛解」のような概念で捉えていくことが必要になるのだと思います。

RNAウイルスとしての新型コロナウイルス


コロナウイルスの性質を振り返ってみると、ウイルスは自分の力で増殖出来ず、人に感染し、その細胞を用いて、コロナウイルスのコピーを作り増殖します。コロナウイルスの遺伝子はRNA(人の場合はDNA)であり、RNAはDNAに比べて物質として不安定なので、RNAは誤ったコピーが出来やすくなります。コロナウイルスが少し異なった形でコピーされることを変異といいます。

厳密には違うところがある(※)のですが、同じRNAウイルスと言うことで、インフルエンザウイルスを例にとると、インフルエンザはこの変異が常に起こっていて、マイナーチェンジをくりかえしながら生き延びています。一度、インフルエンザにかかったにも関わらず、同じ人が何度もかかるのは変異したインフルエンザに感染しているからです。

1918年に始まった通称「スペイン風邪」において、下記のサイトに日本での状況が、詳しく分析されています。2018年と1920年に2回のピークがあり、このサイトでも「原因ウイルスが変異し、その結果として死亡率が大幅に増加したものと考えることができる」と考察しています。


※:コロナウイルス:プラス鎖(mRNAとして直接ウイルスになるタンパク質を作る)
 インフルエンザウイルス:マイナス鎖(ウイルス粒子にRNAポリメラーゼを持ちゲノムRNAからmRNAを作る)

新型コロナウイルスの第二波、第三波の定義について


今後、新型コロナウイルスの発生状況を見る際にも、ひそやかに進行していた感染が発症者として現れただけ(再燃)なのか、変異により新型コロナウイルスが新たな形になったのか注意して見ていくことが大事だと言えます。変異という言葉が一人歩きするのも困りますが、その一方で、人数が増えたことを持って、第二波、第三波だと述べるのは状況を見誤ることにつながると思います。

いわゆるスペイン風もそうですが、現在では遺伝子変異を直接的に検査しています。2020年4月27日の国立感染症研究所の発表に、新型コロナウイルスのゲノム分子を疫学調査した結果が掲載されています。これによると、コロナウイルスの変異からは、下記のことが記載されています。
  • 2019年末の中国・武漢を発端とする新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) は 2020 年1月から2月にかけて国内に侵入し、地域的な感染クラスター(集団)を発生(第1波)
  • その後、渡航自粛が始まる3月中旬までに海外 からの帰国者経由(海外旅行者、海外在留邦人)で “第2波” の流入を許し、数週間のうちに全国各地へ 伝播して “渡航歴なし・リンク不明” の患者・無症状病原体保有者が増加したと推測
  • 2020 年 3 月末から4月中旬における日本の状況は、初期の中国経由(第1波)の封じ込めに成功した一方、欧 米経由(第2波)の輸入症例が国内に拡散したものと強く示唆

また、「第3、第 4 の波が来ることは必然」ともあり、今後とも警戒が必要なことが伺えます。世間的に次は「第二波」なのだと思いますが、遺伝子変異としては「第三波」ということになります。

2020/01/27

新型コロナウイルスについて(2020/1/27)

厚生労働省HPに新型コロナウイルス(2019-nCov cases)に関するQ&Aについて情報があります。新型に限らずコロナウイルスの感染経路は、咳、飛沫、接触、(便)のようです。
そもそもコロナウイルスとは、人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。
人に感染症を引き起こすものはこれまで6種類が知られています。

一般的な新型コロナウイルス関連肺炎の対策のポイントは以下のとおりです。(予防のポイント

  • 流水と石鹸による手洗いを頻回に行いましょう。
  • 特に外出した後や咳をした後、口や鼻、目等に触る前には手洗いを徹底しましょう。
  • 咳をする場合には口や鼻をティッシュで覆う等の咳エチケットを守り、周りの人への感染を予防するため、サージカルマスクを着用し、人が多く集まる場所は避けましょう。

感染を予防するためには、基本的な感染予防の実施や不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けること等が重要です。これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていない一方で、一定の条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。集団感染が生じた場の共通点から感染を拡大させるリスクが高い3つの条件が示されています。(2020年6月6日追記)

  • 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
  • 密集場所(多くの人が密集している)
  • 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)





photo by NIAID

身の回りの消毒について(2020年6月6日追記修正)



疑い患者を取り扱う上での注意点としては、手洗いなど一般的な衛生対策を心がけてくださいとのことです。手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。

0.1%はノロウイルスで便や吐物が付着した床やおむつ等を消毒するときの濃度です。

エタノール濃度は、原則70~83vol%の範囲内であることが求められます。現状のアルコールの不足に対して、60%台でも使用を認めています。(2020年6月6日追記)


厚生労働省・経済産業省のホームページに、「身の回りを消毒するための方法について」のポスターがありましたので掲載します。(2020年6月6日追記)



「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は違うものです。
「次亜塩素酸ナトリウム」は、塩素系漂白剤などの主成分として用いられるアルカリ性の物質で、従来から新型コロナウイルスの消毒に使われています。「次亜塩素酸水」は、電気分解などの手法で作られる酸性の液体で、新型コロナウイルスへの有効性については、現在検証中です。(よくあるお問い合わせ(令和2年6月4日版)~ |  製品評価技術基盤機構)(2020年6月6日追記)

新型コロナウイルスの発生状況(1/27時点)


欧州疾病予防管理センターには、新型コロナウイルスの発生状況(1/27時点)があります。武漢以外にも既に周囲の省に伝播しているようです。

地域特定地域確定例死亡数
アメリカアメリカ合衆国50
アメリカカナダ10
アジア中国277581
アジアJapan30
アジア大韓民国40
アジア台湾50
アジアタイ80
アジアシンガポール40
アジアベトナム20
アジアネパール10
アジアマレーシア40
ヨーロッパフランス30
オセアニアオーストラリア50
合計282081

衛生材料の不足について


1月27日時点
マスクは私の行ったどこのドラッグストアも売り切れでした。
スーパーとか調剤薬局の方が置いてありました。
ドラックストアで売り切れている横の調剤薬局にマスクが陳列されていました・・・。
単純にマスクのあるところというとドラックストアが想起されるのだろうけど、ある程度品揃えのあるスーパーは洗剤などのカテゴリーと一緒に売っています。
調剤薬局は盲点だけれども、薬局で咳をする人用とか、調剤薬局の業態として調剤に偏らないあり方をそもそも模索しているようで案外置いているように思います。
また、ドラックストアと調剤薬局は卸のルートが違うこともあります。

6月6日時点
最近はマスクは何とかなってきましたが、まだアルコール消毒液はないようです。
緊急事態宣言は解除されましたが、今後も感染の広がりに注意が必要だと思います。


(関連情報)