2018/08/03

乳酸菌で有名なヤクルト。腸内フローラに関するシンポジウムを開催



乳酸菌で有名なヤクルトがこれら腸内細菌の働きについて、講演会を行う案内がありましたのでご紹介します。

食べたものが消化されて体内に入る堤防のような役割をしている腸ですが、そこには腸内細菌が花畑のように生息しています。腸内フローラとはそのような細菌類を指した言葉です。腸内から体内へは栄養だけでなく異物として様々なものが入り込もうとしているのは容易に想像がつきます。近年異物を排除する仕組みである免疫の観点から腸内フローラは注目されています。特に美容や健康だけでなく糖尿病など様々な病気との関連も疑われています。


【イベントについて】
詳細についてはプレスリリースをご確認ください。
プレスリリース「第27回 腸内フローラシンポジウム開催のお知らせ


日 時:平成 30 年 10 月 26 日(金)10:00~17:30
場 所 :ヤクルトホール(東京都港区東新橋 1-1-19)
テ ー マ:腸内フローラとディスバイオーシス(バランス失調)」
催: 公益財団法人ヤクルト・バイオサイエンス研究財団
後援:文部科学省
開 催 方 式: 入場無料、当日受付(事前申込不要)、同時通訳付
問い合わせ先: 公益財団法人ヤクルト・バイオサイエンス研究財団 事務局

※ディスバイオーシス:腸内細菌相のバランス異常が血液の中に含まれる代謝物に与える影響


演題・講師(敬称略)

- 午前の部 10:00-12:00 -

はじめに  神谷 茂 (杏林大学保健学部 総合座長)
特別講演1 「腸内細菌による免疫修飾」
      本田 賢也 (慶應義塾大学医学部 微生物学・免疫学)
特別講演2 「抗菌薬耐性微生物に対する耐性を持つ共生細菌の同定」
      Eric G. Pamer (メモリアル スローン ケタリングがんセンター 米国)
- 午後の部 13:15-17:30 -
講演1 「ディスバイオーシス、腸内フローラ・脳・腸連関とメンタルヘルス」
      Christopher A. Lowry(コロラドボルダー大学 米国)
講演2 「腸管外現象に影響を及ぼす特定の乳酸菌」
       金井 隆典(慶應義塾大学医学部 内科学〔消化器〕)
講演3 「口腔微生物叢と歯のケアが腸内微生物叢に及ぼす影響」
      花田 信弘(鶴見大学歯学部 探索歯学講座)
講演4 「ヒト腸内フローラの個体レベル研究と臨床研究:定量的フローラモニタリングの必要性」
      Jeroen Raes(KU ルーベン‐VIB 微生物学センター ベルギー)
講演5 「腸内フローラの dysbiosis とプロバイオティクス・シンバイオティクスの応用」
       朝原 崇(ヤクルト本社中央研究所)
総合討論



余談ですが、善玉菌、悪玉菌などの言い方がありますが、ヤクルトの創業者である代田 稔先生は乳酸菌が腸の中の悪い菌を抑えることを発見しました。今のヤクルト製品の元になる「乳酸菌 シロタ株」と呼ばれる菌を発見しました。またヤクルトは1960年頃には下記のような腸の中で起こっている乳酸菌を映像化していました。(下記の1967年のリンク先はWikipediaです。出来事を見比べると時代の先取性がわかると思います。)

ダルムの世界 ~選ばれた乳酸菌の働き~1967年 19分 株式会社ヤクルト)
(ダルムとはドイツ語で腸のことだそうです。)

講演のタイトルを見ると腸内細菌に関するかなり深い内容について述べられるようです。腸内の環境を整えるということで一貫しているように思いましたので、合わせて記載しました。

2018年8月8日追記
チャネルの拡張性とビジネスモデルの観点からヤクルトの販売網はメディアなどで度々注目されています。この販売網を維持するヤクルトレディとは1963年に導入した「ヤクルト400」などの食品および化粧品などを配達するヤクルト独自のシステムです。ヤクルトレディの人数は、国内34,888人(2018年3月末時点)、海外46,559人 (2017年12月末時点)となっています。


プレスリリース
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