2017/07/16

現場で役立つ医療統計スキル習得のための最短経路


はじめに

医療統計の専門家がどういう基礎を持っているのか探り、最初の一手を探します。そして、勉強する上でのつまづきどろこを整理していきます。統計の専門家に話を聞くにしても共通の土台示した方が より深い理解につながります。そのためには、実地に勉強会や聴講、 セミナー参加、Web学習などを活用しましょう。統計の 理解には用語や文脈の理解、結果の 納得の3つのステップが大事です。

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医療統計学が難しい理由


専門的な医療統計家が学ぶ基礎

医療関係者がどこまで統計学を深掘りすればいいのか外枠を 把握します。専門に医療統計を 行なっている人たちの土台を知ることが一つの方法です。医療統計のスペシャリストは生物統計家と呼ばれています。 2018年より東大京大の2ヵ所で生物統計家の養成講座が開講しました。参考として東大のシラバスを見てみると臨床試験の方法論から実務研修まで網羅しています。講座の入学ためには統計検定2級程度が必要と言われています。医療関係者に必要となる知識の目安になると思います。

どこから手をつけたらいいか分からない場合には

製薬企業のプロモーションで使う データは 医療統計の専門家たちが練りに練った結果です。一度に 理解できなくても、用語や文脈の理解、 納得と何度かに分けて徐々に進めていきましょう。
本を読んでも分からなければ、インターネットや勉強会、学会の教育セミナーなどを積極的に活用しましょう。
  • 統計の時間
    大学で学ぶ統計学の基礎レベルである統計検定2級の範囲をほぼ全てカバーする内容を網羅
  • ICR臨床研究入門
    臨床研究に必要な知識を提供するe-learningサイト

医療統計でつまづきやすいところ

私が統計を教えている時に気がついたことは、つまづくところが共通しているということです。 タイプ分けすると3つに大別できます。
  • 計量データと質的データの区別
    カテゴリーデータを計量データとして扱わない 。
    計量データの検定を質的なデータと解釈しない。
  • 回帰分析、分散分析、 共分散分析
    計量データを一通り扱える。
    共分散分析が群のどこに違いがあるかを 言えない理由を説明できる。
  • ダミー変数、多変量解析
    ダミー変数の立て方が分かる。
    他の言語で書かれた例題を自分の環境で試すことができる。


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臨床論文に出てくる試験デザインの分類と種類