2018/04/18

サブグループ解析でのハザード比(HR)の読み方

臨床試験の紹介では、いろいろな数字が並んで分かりにくい場合がよくあります。
特に、英語からの翻訳の場合、「additional」、「additionally」の記載になることがありますが、記載を読む場合には注意をして読むべきです。


結果の記載には、例えば、リスク減少比として、HR(ハザード比)があります。HRが1の場合は、比較した結果が1倍なので差はないということが言えます。HRに95%信頼区間がある場合の見方は、数値が1を含む場合は、1倍の場合もあるという解釈になります。




バイオマーカーなどで群(グループ)に分けて行うサブグループ解析があります。臨床試験で規定されている評価項目では、通常、薬の有効性を評価するために必要十分な例数で試験をしています。例数が少ないと有効性が十分に出ないことになりますし、例数が多いと必要以上に有効性が評価されることになります。
一方、サブグループ解析では、例数をどのくらいにするかを後から決めることになるために、結果が出やすいように誘導できることがあります。

例えば、バイオマーカーで1%以上と1%未満で分けた場合に、データの数が多くなると有意差が出やすくなることがあります。1%に必ずしも根拠のあるものではありませんが、生のデータを見たときにどれくらいでグループに分けると言えるのか考えたものかもしれませんので、今後の研究の方向性を示したものにはなるという結果になります。

サブグループ解析は、多くの示唆を与えてくれますが、その数値の読み方には気をつける必要があります。